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産業カウンセリングの概要

アメリカの産業カウンセリング
従業員援助制度(EAP)Employee Assistance Program
産業カウンセリング
キャリア開発活動(CDP)Career Development Program
キャリアカウンセリング

産業カウンセリングは、日本独自の名称です。米国のEAPとCDP活動のうち、主にEAPと呼ばれるものが、日本では産業カウンセリングと呼ばれます。

 
労働市場の構造的変化
  • ●経済のグローバル化
  • ●少子高齢化
  • ●若年労働人口の減少
  • ●高齢労働人口の増加
  • ●外国人労働人口の増加
  • 非正規社員の激増
  • 所得格差の拡大
  • 成果主義とリストラ
  • 配置転換と早期退職
  • 過重労働
メンタルヘルス不調職場不適応
 
  • 家庭の悩み
  • 対人関係の悩み
  • うつ病
  • 不安障害
  • 休職
  • 長期欠勤
  • 無断欠勤

産業カウンセリングの効果

 

■メンタルヘルス不調の改善 ■休職、長期欠勤の予防 ■業務効率の改善

 

産業カウンセリングの目的

従業員に対し、産業カウンセラーが早期にカウンセリングを開始し、メンタルヘルス不調に対応するだけでなく、不適応従業員の長期欠勤や休職を予防する、また既に不適応状態に陥ってしまった労働者に対しては、彼らを無事に職場復帰させ、良好な勤務状態を取り戻させることが、産業カウンセラーの大切な役割だと言えます。
しかし、職場内におけるメンタルヘルス対策が、産業カウンセリングの最終的な目的ではありません。産業カウンセリングの真の目的は、産業組織で働く人々の人間的成長を促進することにあります。来談者中心療法を提唱した、C.R.ロジャーズの人間性心理学の哲学を受け、産業カウンセリングは人生の様々な局面で問題に直面している人が、「問題解決へのプロセスを通して、自立・自律的に生きていけるようになること」を目指しているのです。職場における不平不満の解消や一時的な不適応の解決を図ることだけに主眼があるのではなく、働く人の生涯に渡る成長過程をとおして、その人なりに機能できるように、様々な問題解決や意思決定の能力を発達させることを援助するのが、産業カウンセリングなのです。

産業カウンセリングの歴史

米国のEAP活動
産業カウンセリングの歴史は、1940年代のアメリカのEAPに遡る。EAPの当初の目的は、アルコール依存症患者の従業員とその家族に対するケアであり、それによって引き起こされる企業の損失対策であった。
米国の広域活動
EAPが絶大な効果を示すに従って、その活動はアルコール依存症から、次第に「広域活動」へと変化していった。その内容は、薬物乱用の防止と治療、精神的問題と心理的問題、夫婦関係と家族関係、経済問題と法律問題、職場のストレスと精神保健である。
日本の人事相談室設置
1950年代後半、日本電信電話公社(現NTT)がカウンセリング理論と技法を導入して人事相談室を設け、専任の相談員を配置。1956年には国際電信電話株式会社(現KDDI)が同様の制度を制定。続いて松下電器、明電舎、国鉄、神戸製鋼など9社が相談制度を導入。その後も相談制度導入企業は着実に増え続け、1960年には約40社に、1966年の労働省の調査時には、527社にまで達する。
産業カウンセリングの誕生
企業の人事労務・福利厚生担当者や研究者達の動きも活発化し、1958年には東京と大阪で職場カウンセリング導入研究会開催。1960年11月には「第一回産業カウンセリング全国研究会」が立教大学で開催され、この集会の中で任意団体としての「日本産業カウンセラー協会」の設立が決議される。1970年に協会は労働省から公益法人として認可され、現在の「社団法人日本産業カウンセラー協会」が誕生。

カウンセリングの源流

パーソンズはボストンにて、ハイスクールの卒業生の適材適所への就職を可能にするため、1908年、ボストン職業局を創設し、「丸い釘は丸い穴へ」のスローガンの下に就業指導を進めた。彼の功績は「職業指導運動」と呼ばれることになる。

 
E.L.ソーンダイク
教育測定運動
F.パーソンズ
職業指導運動
C.W.ビアーズ
精神衛生運動

「量的に存在するものは、これを測定することができる」とし、後にフランスのA.ビネーが開発した「知能検査」と、これをアメリカで標準化したL.M.ターマンらと共に、ソーンダイクの功績は「教育測定運動」と呼ばれることになる。

 
カウンセリング

ビアーズは1908年に「わが魂にあうまで」を公刊し、彼自身の精神病の体験を記し、州立病院の改善を世に訴えた。1909年には「全国精神衛生協会」を設立し、後に健康の保持・向上を主張するようになり、「精神衛生運動」に大きく貢献した。

 

カウンセリングの実践的理論

カウンセリングは、ロジャーズの来談者中心療法の思想を大きく受け、カウンセラーの「受容・共感・自己一致」を通して、クライエントの自己実現化傾向を促進することが最大の目的です。必ずしも「カウンセリング=来談者中心療法」ではありませんが、他の心理療法に比べ、来談者中心療法がカウンセリングに及ぼした影響は大きいと言えます。様々な技法がカウンセリングの効果を上げるために開発されましたが、次の支援スキルが特に有名です。

マイクロカウンセリング

かかわり行動
視線を適度に合わせ、表情・姿勢・動作などの身体言語、話すスピード、声の大きさ、調子、また相槌などでクライエントに寄り添い傾聴していることを示す。
クライエント観察技法
クライエントの非言語コミュニケーション(顔の表情、姿勢、動作)や言語(キーワード、言語パターン、矛盾など)によるコミュニケ―ションを観察する。
開かれた質問、閉ざされた質問
「開かれた質問」はより多くの情報を引き出す質問である。「閉ざされた質問」は、「はい」「いいえ」または数語で返答できる質問である。
はげまし、いいかえ、要約
はげましは、「頑張れ」などと励ますのではなく、「それで?」「それから?」など、発話の促しである。更に、発言のいいかえや、要約を使って話を整理する。
感情の反映
感情の要訳とも言える技術で、クライエントの感情に「怒り」「嫉妬」「苦しみ」「悲しみ」などの名前を与え、断定調を避けながら真の感情を確認する。
意味の反映
クライエントの発言の真の意味を知るために、その言葉に隠された本当の「意味」を探索する。全く同様の発言でもクライエントによって意味は異なる。
焦点の当て方
クライエントの話に存在する多くの側面や様々なテーマの中から、どこに焦点を当てて話を掘り下げるか、明確な意図を持って会話を導く。
積極技法
指示、論理的帰結、自己開示、フィードバック、解釈、積極的要訳、情報提供、助言、教示、意見、示唆、対決などの技法を使って、クライエントを強く方向づける。
対決(矛盾・不一致)
クライエントの行動、思考、感情、意味における不一致、矛盾、葛藤をかかわり技法や積極技法と組み合わせながら指摘すること。
技法の連鎖及び面接の構造化
これまでの技法を効果的に組み合わせて用い、また適切な場面構成や問題の定義化、目標設定、選択肢の探求、学習の一般化を行う。
技法の統合
面接は数種類の技法を用いるが、状況や場面に注意を払い、クライエントに応じて統合が必要になる。異なった理論には異なった技法パターンを用いる。

ヘルピング

カーカフのヘルピングプロセス
かかわり技法→ヘルピーの参入
応答技法→ヘルピーの自己探索
意識化技法→ヘルピーの自己理解
手ほどき技法→ヘルピーの行動化
事前段階
クライエントが自分の探索を始める前に、まず援助過程に参入させ、内面的な成長に向かう準備を整える。参入(Involvement)とは、自分の個人的な経験を他人と分かち合う心構えができていることである。クライエントに初めに自分の内面に焦点を合わせるように促し、自分がある事柄にどのような価値を与え、意味付けしようとしているか意識させる。あるいは、自分が援助を受けているのは何故だろうかと、自問自答させる。クライエントが、暮らし、学び、仕事のある特定の領域において、自己の内面化を行うことによって、成長の過程に参入する。
第1段階
クライエントは援助過程に参入した後、自分の経験の探索を始める。自己探索(Exploring)とは、その人自身に関係のあること、または実際に経験したこと、あるいは明確に表現できることに対して、行われるものである。クライエントはこの探索において、自分の内面を見詰め、自分が今どこに立っているか見定めようとする。クライエントは自分の現在地を探し求めるが、同時に、自分が行きたい場所、あるいは行かなければならない場所(目標)をも発見しようとする。
第2段階
クライエントの自己の経験の探索を通して、目指すべき目標の把握、自己理解が導かれる。自己理解(Understanding)とは、クライエントが内面的にこれまでとは違う行動や反応の仕方を自分の中に探し求めることである。クライエントの自己理解が高レベルに達した時には、クライエントは自分の目標をはっきり捉えることになる。ブレーンストーミングや選択肢を体系的に開発する技法を用いて、様々な思案を考えだし、整理し、自身の価値観や周囲の要請に対して絞り込みを行う。
第3段階
目標を達成するための計画を立て、それに従って計画を起こす。行動化(Acting)とは何を達成するか目標を明確に定義し、それらを達成するための詳細な行動計画を立て、計画の各段階を逐次実行してい行く一連の行動を指す。内面的な成長は、行動のフィードバックが繰り返されることによって完結する。フィードバック情報は、有益なものとして受け取られ、これによって自己理解はより明確なものに、行動化やより生産性の高いものに転化される。つまり、援助とは、人間の内面的成長の過程(自己探索→自己理解→行動化)を促進し、助けることである。

三元援助モデル

ステップT−A:話をするのを援助する
クライエントが経験している問題状況を把握し、クライエントとの関係を確立して、 抵抗なく詳細に語れるようにする。
ステップT−B:焦点を合わせるように援助する
まずカウンセリングが必要か、次に何が問題かを把握する。そしてクライエントが できる限り具体的な経験、行動、感情に基づいて問題を明確化するよう援助する。
ステップT−C:盲点を克服して、新しい展望を持てるように援助する
クライエントが自分自身や問題状況の中で、見落としていたけれども問題解決の ためには探索しておかなくてはならないことを理解できるよう援助する。
ステップU−A:新しいシナリオの作成
クライエントが自分の生活や人生をどのように変えたいかの決定をカウンセラーが援助する。
ステップU−B:新しいシナリオの評価
目標評価の基準を話し合い、クライエントがその基準に基づいて来るべき将来を 評価できるように援助する。
ステップU−C:選択と決意
クライエントが好ましいシナリオあるいは目標を選択し、自分自身や生活を変えて いく決心をするように援助する。
ステップV−A:実行のためのストラテジーを見つけて査定する
好ましいシナリオを実現するためのストラテジーを見つけ出す援助をする。次にストラテ ジーを評価し、その中で最も成功しそうなものを選び出すよう援助する。
ステップV−B:クライエントが計画を立てるよう援助する
ストラテジーのための計画を立てる。計画または実行プログラムは目標達成に繋がる 段階的な過程である。
ステップV−C:クライエントが計画を遂行できるように援助する
実行計画の遂行を援助し、遂行の障害が起こりそうな時には、 クライエントがプログラムを放棄しないように指導や励ましを与える。
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