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心理療法の理論

精神分析的パラダイム

S.フロイトが創始した精神分析は、後に幾つかの学派に分かれて発展しました。これらはみな精神分析的パラダイムに属します。個人の精神の力動を扱うので、力動的パラダイムとも言います。全ての理論に共通する考え方は、個人の中に無意識の領域が存在し、それが現実生活の活動に何らかの影響を及ぼすということです。

超自我
パーソナリティの社会的規範を担い、躾などによる親の価値観や地域文化の影響を受けて生じる個人の良心や倫理観。
自我
外的現実に対処し、様々な防衛機制を用いてイドの欲動の延期を行う。現実原則に従い、超自我とイドの調整役となる。
イド
快楽原則に従い、欲動、欲求、衝動をそのまま自我に伝える機能。生の本能エネルギーをリビドーという。

認知・行動的パラダイム

20世紀初頭、アメリカで発展した行動主義は、学習理論を基礎に置き、徹底して「科学としての心理療法」を追求しようとしました。客観性と普遍性を強く志向するその立場は、人間の問題行動の背後に無意識の存在を仮定する精神分析に対して、科学実証性の欠落を厳しく指摘し、その理論の妥当性にも強い疑問を呈しました。H.J.アイゼンク、B.F.スキナー、J.ウォルピらが代表的立場の心理学者ですが、行動療法という言葉を最初に用いたのは、アイゼンクであると言われます。ただ、精神分析理論と違い、行動療法には明らかな創始者が存在しません。アイゼンクを行動療法におけるフロイトと位置付ける人もいますが、アイゼンクよりも先に、A.A.ラザルスやウォルピらが既に行動療法を始めていたという説もあり、論議は分かれています。しかし、いずれにせよ、彼らの治療法が学習理論と行動理論に基づき、科学的実証性を追求し、客観化不可能な無意識という概念を治療理論から排除したという点では共通しています。現在では、A.T.ベックらによって提唱された認知理論を行動主義の枠組みに取り入れ、行動療法は「認知行動療法」として欧米では主流の心理療法になっています。

行動理論
異常な行動も学習されたものであり、客観的な刺激(Stimuli:S)反応(Response:R)の関連(S-R理論)で人間行動の予測と制御が可能であるとした。誤って学習した異常行動は、正しい行動を再学習にすることによって消去することができる。
認知理論
学習は単なるS-R連合のようなものでなく、それまでの経験から身に付けた知識によって意識的・積極的に獲得する過程であるとする。これまでの経験の中で歪んだ認知をスキーマと呼び、日常生活の場面で自然に浮かび上がる不合理な考えを自動思考と呼ぶ。異常行動はスキーマと自動思考の修正である。

人間学パラダイム

精神分析、行動主義に続いて現れた心理学の第三勢力が人間性心理学と呼ばれるものであり、代表的な治療理論は、C.R.ロジャーズによって提唱された「来談者中心療法」です。精神分析療法、行動療法とも、カウンセラーはクライエントに対して一方的に診断、指示、解釈を与える指示的存在でした。また、症状の原因や症状それ自体に関心を向けるあまり、人間としてのクライエントとの対人関係を軽視する向きも見られました。これに対してロジャーズは異議を唱え、人間は本来自己実現化傾向を持つ存在であり、カウンセラーが適切な態度でクライエントと接しさえすれば、指示や解釈を与えなくとも、クライエントは自発的に変化していくと考えました。来談者中心療法の考え方は、全ての心理療法・カウンセリングの基礎となるべきものであり、ロジャーズが提唱した「受容・共感・自己一致」というカウンセラーの基本条件は、現在学派を越えて広く支持されています。

来談者中心療法の基本的態度
受容
クライエントをそのまま受け入れること。どんな相手でも、例えその人の考え方や行動が容認できなくとも、選択したり、評価することなく、クライエントの人間性を全て受け入れる。
共感
相手の見方、感じ方、考え方を、その人の身になり、立場になって、見たり、感じたり、考えたりすること。ロジャーズ曰く、「クライエントの私的な世界をあたかも(as if)自分自身のものであるかのように感じる」ことである。
自己一致
誠実で正直であること。カウンセラーが上辺を飾ったり、見せかけの態度でなく、ありのままの自分である時、クライエントとの真の援助関係が成り立つ。
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